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生体内ambimodal反応の実在性を初めて証明~薬学部の共同研究成果が『Nature』に掲載~


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本学薬学部生薬学分野の渡辺賢二教授、大橋雅生?元本学特任助教、佐藤道大助教とUCLA( University of California, Los Angeles)に所属するKendall N. Houk教授、Yi Tang教授らは、糸状菌Aspergillus属が生産するleporin Cの生合成において酵素がDiels-Alder (DA) 反応とhetero Diels-Alder (HDA) 反応を制御せず、酵素LepIがDA反応の生成物を基質としてretro-Claisen転位を触媒する経路をデザインすることで、HDA反応で与える生成物と同じ生成物を与えることを明らかにしました。

本研究において我々は脱水反応、ambimodal DA/HDA反応、retro-Claisen転位を触媒するSAM依存性多機能酵素LepIを発見し、その詳細な反応機構を明らかにしました。LepIはSAM依存性に加え2種類のペリ環状反応を触媒する前例の無い天然酵素であり、着目すべきは世界初のretro-Claisen転位を触媒する天然酵素であることであります。本研究成果はさらに多くのペリ環状反応を触媒する酵素が天然に存在することを想起させると共に、既存のSAM依存性酵素をペリ環状反応を触媒する酵素へと進化させるための重要な知見を与えるものであります。

本成果は、生薬学分野(渡辺教授、大橋元特任助教、佐藤助教)とKendall N. Houk教授、Yi Tang教授らによるJSPS頭脳循環プログラムによる共同研究の成果です。学術において最も権威のある雑誌「Nature」(Impact Factor: 40.137、5 Year IF: 43.769) 電子版に9月13日付けで掲載されました。

図解

掲載された論文

SAM-Dependent Enzyme-Catalysed Pericyclic Reactions in Natural Product Biosynthesis
Masao Ohashi, Fang Liu, Yang Hai, Mengbin Chen, Man-cheng Tang, Zhongyue Yang, Michio Sato, *Kenji Watanabe, K. N. *Houk & *Yi Tang

関連リンク

◎Nature 電子版
トップページへ> Articleページへ>
◎静岡県立大学 薬学部 生薬学研究室
研究室サイトへ>
(別ウィンドウで開きます)

(2017年9月14日)

本論文がChemical & Engineering News(C&EN)で紹介

アメリカ化学会(American Chemical Society)が出版している「Chemical & Engineering News(c&en)(9月18日号)」において、Nature誌に掲載された論文が紹介されました。アメリカ化学会は、世界最大級の会員を有し、化学分野で多くの雑誌を刊行している学術団体です。
紹介ページへ>
(別ウィンドウで「アメリカ化学会」のサイトが開きます)

(2017年9月15日追記)

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