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中国足彩网6年度入学式を開催しました


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学部?短期大学部?大学院 合同入学式

4月9日、静岡市駿河区のグランシップで、学部?短期大学部?大学院の合同入学式を開催しました。中国足彩网禍以降初となる入場制限のない開催で、多くの保護者や来賓者が見守る中、学部生671人、短期大学部生110人、大学院生120人、計901人が希望を胸に新たなスタートを切りました。

今年度新たに就任した今井康之中国足彩网は、式辞の中で「市民が学問を我がものにできるようにすることが、大学の目的である。新入生諸君は『学問を我がものにする』まさに入り口にいる」と述べました。そして最後に、「新入生の皆さんが、心と身体の健康に気を配りつつ、有意義な学生生活を送ることを期待しています」とエールを贈りました。

新入生を代表し、看護学部の藤田未夢さんが「大学では専門的な知識の習得だけでなく、地元についての知識や多くの物事に柔軟に対応する力を身につけたい」と宣誓しました。

式典後は、学生によるクラブ?サークル紹介が5年ぶりに行われました。アカペラサークル、チアダンス部、ジャズダンス部が華やかな歌と踊りで新入生を歓迎しました。

式典の様子

歓迎のことば

誓いのことば

クラブ?サークル紹介


中国足彩网式辞

静岡県立大学中国足彩网 今井康之

静岡県立大学の学部に入学した671名の皆さん、短期大学部に入学した110名、大学院に入学した120名の皆さん、入学まことにおめでとうございます。静岡県立大学の教員、職員、役員を代表して、皆さんを歓迎します。ご家族、保証人の皆様にも、心からお祝い申し上げます。

私自身のことで恐縮ですが、あるとき、ふとニューヨーク?タイムズを見たくなりました。ホームページを調べると、オンライン購読料が1 週間で2ドルでした。1年にすると、100ドル以上で、15,000円にもなります。もったいないので、もしかすると、本学の図書館にあるのではと思いました。図書館の司書の方に尋ねると、案内してくださいました。そこには、ニューヨーク?タイムズ以外に、いくつかの外国語の新聞がありました。もちろん、日本の新聞もたくさんあります。ふと見ると、学生が外国の新聞を読んでいました。留学生のようでした。私自身も、35年前にはアメリカに留学していました。日本語の本を読みたくて、ジャパンタウンの書店で文庫本を買って読んでいましたので、留学生が母国語の新聞で、母国の情報を得たいという気持ちはよくわかります。残念ながら、日本人の学生が新聞コーナーで新聞を読んでいる姿は、あまり見かけません。

ところで、 ニューヨーク?タイムズを見ようとした動機ですが、昨年の終わりごろ、人工知能、あるいは生成AIのChatGPTで有名なOpenAI社で、ある騒動がおきたからです。主席重役のアルトマン氏が一時解任されたのです。彼は会社を辞めてマイクロソフト社に移籍し、多くの社員がアルトマン氏を追って会社を移籍しました。その結果ChatGPTを開発した中心人物の一人であり、アルトマン氏の解任を主導したサツキバー氏、この方はChatGPTを開発した中心人物の一人ですが、を含めて現役理事全員が逆に追放され、アルトマン氏がOpenAI社に返り咲いたという騒動です。当時日本では、会社の内紛劇や会社の経営システムの不備のような報道がなされていました。しかしその裏には、ChatGPTの安全性に懸念を持ったサツキバー氏と、会社の収益を優先する姿勢のアルトマン氏の路線対立だったことが、明らかになってきています。
事件のきっかけは、OpenAIの外部理事の一人で、アメリカのワシントンD.C.にあるジョージタウン大学に付属した「安全保障と新興技術センター」所属の方が2023年の10月に発表した論文でした。その論文のなかでは、「OpenAI社には人工知能の安全性を保つ姿勢が不足している」とOpenAI社に対して批判的な意見が表明されていました。そのことが、OpenAI社内で問題視されたからでした。論文の著者は、これは学術論文であると反論していました。この論文自体は、ジョージタウン大学のホームページからダウンロードでき、社会に公表されたものです。アルトマン氏とサツキバー氏は、当初この外部理事を罷免する方針だったようですが、自分でも人工知能の安全性に懸念をもっていたサツキバー氏が、アルトマン氏を追放する行動に出たようです。この論文著者の名前をここでは言いませんが、知りたい人は2023年11月22日のニューヨーク?タイムズを見ればわかります。県立大学の図書館にあります。

ところで話はかわりますが、「読破するのが難しい」とされる本がいくつか知られています。例えば、1971年生まれの経済学者であり歴史学者でもあるトマ?ピケティ氏が2013年に書いた「21世紀の資本」がその一つです。さらに、2019年にその後継版ともいえる「資本とイデオロギー」がフランスで出版されました。ピケティ氏自身も、今回の本のほうが「21世紀の資本」よりも良く書けたと言っています。日本語訳も2023年に出版されています。無謀にも、この本を読んでみました。
まず、この本は重いのです。内容というより、重量が重く、持ち運びが大変不便でした。本文だけで900ページ以上あります。「内容を全部理解したか」と言われると全く心もとないですが、例えば、「国民の平均所得」などの単一の数字による分析は不十分であり、所得分布を踏まえた統計が重要だとの主張は新鮮でした。たとえば、「人々を所得の高い順にならべてみた場合、そのトップ10%に入る人々に国民所得のどのくらいの割合が集中しているのか」を示した数値が一例です。「こういう統計の取り方があったのか」と正直感心しました。
内容を十分理解したとは言えないまでも、最後の「結論の章」まで、なんとかたどり着きました。そこに書いてあったことは、私には衝撃的でした。「経済学が独り歩きしすぎた結果、歴史学者、社会学者、政治学者、哲学者は経済問題の研究を、経済学者に丸投げしてしまうことがあまりにも増えた。市民が経済と歴史の知識を再び我がものにできるようにすることが大切だ。」と書いてありました。
これは人工知能の問題についても言えると思います。「専門家に丸投げせず、市民が科学の知識を我がものにできるようにすること」が大切だと思います。もっと言えば、「市民が学問を我がものにできるようにすることだ」と言えます。
私は、これこそが、大学の目的だと思います。大学としては、研究教育環境を可能な限り整えようとしています。県のご支援と、教員自身の資金獲得の努力によって、最新鋭の研究機器を更新し続けています。ニューヨーク?タイムズだってあります。新入生諸君は、「学問を我がものにする」まさに入り口にいるのです。

新入生の皆さんが、こころと身体の健康に気を配りつつ、有意義な学生生活を送ることを期待しています。
入学おめでとうございます。ありがとうございました。


(2024年4月10日)

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